平滑筋弛緩とは

平滑筋(へいかつきん) は、血管や内臓の壁にある筋肉で、自分の意思では動かせない筋肉(不随意筋)です。

弛緩(しかん) とは、筋肉がゆるむことを意味します。つまり:平滑筋弛緩 = 血管や臓器の筋肉がゆるむこと


血管での平滑筋弛緩

  • 血管の平滑筋がゆるむと、血管の内径(直径)が広がります。
  • これを 血管拡張 とも呼びます。
  • 結果として血流が増え、血圧が下がります。

勃起との関係

陰茎の血管にある平滑筋も同じです:

  1. 性的刺激 → NO(一酸化窒素)が放出
  2. NO → cGMP増加
  3. cGMPが平滑筋を弛緩
  4. 血液が陰茎に流れ込み、海綿体が膨張 → 勃起

つまり、平滑筋弛緩がないと勃起は起きません


内臓での平滑筋弛緩

  • 胃腸、気管、膀胱などの内臓でも平滑筋があります。
  • 平滑筋弛緩により:
    • 食べ物や尿の通過がスムーズになる
    • 呼吸管が広がる
    • 胃腸の動きが調整される

平滑筋弛緩を引き起こす代表的な物質

物質 働き
NO(一酸化窒素) cGMPを増やして血管・陰茎の平滑筋をゆるめる
cGMP 平滑筋内のカルシウム濃度を下げて弛緩させる
プロスタグランジン 血管拡張、炎症反応の調整
アセチルコリン 内臓平滑筋の収縮や弛緩を調整

まとめ

項目 内容
名称 平滑筋弛緩
意味 血管や内臓の筋肉がゆるむこと
働き 血管拡張、血流増加、勃起、内臓運動の調整
勃起との関係 cGMPが平滑筋を弛緩 → 血液が流れ込み勃起
誘導物質 NO、cGMP、プロスタグランジンなど

ポイント:

勃起や血圧調整には 平滑筋をゆるめる(弛緩させる)こと が必須です。
PDE5阻害薬はこの平滑筋弛緩をサポートして血流を持続させます。