平滑筋弛緩とは
平滑筋(へいかつきん) は、血管や内臓の壁にある筋肉で、自分の意思では動かせない筋肉(不随意筋)です。
弛緩(しかん) とは、筋肉がゆるむことを意味します。つまり:平滑筋弛緩 = 血管や臓器の筋肉がゆるむこと
血管での平滑筋弛緩
- 血管の平滑筋がゆるむと、血管の内径(直径)が広がります。
- これを 血管拡張 とも呼びます。
- 結果として血流が増え、血圧が下がります。
勃起との関係
陰茎の血管にある平滑筋も同じです:
- 性的刺激 → NO(一酸化窒素)が放出
- NO → cGMP増加
- cGMPが平滑筋を弛緩
- 血液が陰茎に流れ込み、海綿体が膨張 → 勃起
つまり、平滑筋弛緩がないと勃起は起きません。
内臓での平滑筋弛緩
- 胃腸、気管、膀胱などの内臓でも平滑筋があります。
- 平滑筋弛緩により:
- 食べ物や尿の通過がスムーズになる
- 呼吸管が広がる
- 胃腸の動きが調整される
平滑筋弛緩を引き起こす代表的な物質
物質 | 働き |
---|---|
NO(一酸化窒素) | cGMPを増やして血管・陰茎の平滑筋をゆるめる |
cGMP | 平滑筋内のカルシウム濃度を下げて弛緩させる |
プロスタグランジン | 血管拡張、炎症反応の調整 |
アセチルコリン | 内臓平滑筋の収縮や弛緩を調整 |
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 平滑筋弛緩 |
意味 | 血管や内臓の筋肉がゆるむこと |
働き | 血管拡張、血流増加、勃起、内臓運動の調整 |
勃起との関係 | cGMPが平滑筋を弛緩 → 血液が流れ込み勃起 |
誘導物質 | NO、cGMP、プロスタグランジンなど |
ポイント:
勃起や血圧調整には 平滑筋をゆるめる(弛緩させる)こと が必須です。
PDE5阻害薬はこの平滑筋弛緩をサポートして血流を持続させます。