バイアグラの効果的な飲み方
バイアグラは使ったことはなくても名前だけは知っている方も多い、ED治療における代表的な薬です。ファイザー社より20年以上前に発売され(2022年現在はヴィアトリス社に)当院は、当時はまだまだ珍しかったED治療の専門外来として、その発売当初からずっと処方をし続けています。根強いファンも多い薬ですが、その後に発売されたほかのED治療薬に比べ、効果に影響の出やすい食事のタイミング、副作用などについてご紹介します。
バイアグラ概要
有効成分 | シルデナフィル クエン酸塩化物 |
用量 | 50mg/25mg |
服用方法 | 1回1錠 |
発現時間(効くまでの時間) | 約1時間 |
作用時間(効いている時間) | 50mg:約4時間、25mg:約3時間 |
服用間隔 | 24時間以上 |
主な副作用 | 頻出順 頭痛、ほてり、視覚障害(視界に青み)ほか |
禁忌(服用できない) | *下記参照 |
ジェネリック シルデナフィル | *一覧はこちら |
*参考 東邦大学 大森病院リプロダクションセンター
バイアグラの理想的な飲み方
用量
一般的には50mg錠が処方されます。25mg錠は割高となるため、医師から低用量での使用をすすめる場合以外はそれほど使われません。25mgで充分な方は、低用量で効くに越したことはないので50mg錠を割って使うこともあります。日本以外のたいていの国では100mgが認可されていますが、50mgの効きがあまり感じられず、医師のすすめがあれば50mgを2錠を同時に服用することがあります。
効くまでの時間
服用してから1時間前後で効果が現れます。(有効成分の血中濃度が最高値となります)空腹状態であれば1時間かからないこともありますが、ご予定の約1時間前に飲むのを目安するとよいでしょう。また、バイアグラは陰茎の毛細血管が収縮し勃起が治まるのを抑える薬で、性的興奮がない限り、飲んだからといって何もせずに勃起するものではありません。ただ、服用する行為そのものが性的興奮に影響を及ぼすことはあり得ます。
効いている時間
効果を感じ始めてから50mgで約4時間、25mgで約3時間です。これは次の服用方法で説明してある服用条件の是非、ご自身の当日の体調などで時間が前後することがありますので、あくまで目安としてお捉え下さい。
服用方法
どうやって飲むのか?
水やお湯などで飲んで下さい。あえて果汁や炭酸飲料などで飲む必要はありません。フィルムタイプのバイアグラ(バイアグラODフィルム)はフィルム状の薬を舌の上にのせるだけで溶けますので、水などが不要です。また、薬は水などで飲んで吸収するよう作られていますので、嚙んだからといって特により早く効くわけではありません。
食事のタイミング
バイアグラは食事の影響を受けやすいため、なるべく空腹時の服用がおすすめします。満腹の状態だと有効成分の吸収が悪くなるので避けましょう。どうしてもタイミングが合わない時は、食後2時間以上が経過していたほうが薬の効果がより生かせます。
食事の内容
バイアグラを使う時に満腹状態は避けましょう。脂肪分が小腸内で有効成分を吸収するのを妨げてしまうためです。また食事内容も、薬の効果が損うことを防ぐため、その日だけは焼肉や揚げ物などはなるべく避け、さっぱりしたものにするとよいです。
飲酒について
適量の飲酒は心身にリラックス効果をもたらすため、勃たたないことへの不安がED発症の原因になっているような方には、薬の作用が良くはたらく場合があります。ただし大量の飲酒は運動機能のほか、性的興奮を司る神経系にも悪影響を及ぼすことがあるので、飲んだとしてもほどほどにしておいたほうがよさそうです。
バイアグラ使用時のシミュレーション
副作用
バイアグラには血管を拡張させる作用があります。これが陰茎で起こると勃起として現れます。血管の拡張が顔に現れると火照った感じ、鼻では鼻づまり感、頭でおこると頭痛といった症状が稀ですが起こることがあります。もし起きてもたいてい軽いもので数時間でなくなりますから過度な心配は不要です。頭痛が我慢するには辛いほど強くでた場合には頭痛薬は後から飲んでかまいません。
バイアグラはこれらの副作用は比較的でやすいので、初めて使われる方は気になるところですが、むしろこれらは効いてきた証拠ともいえます。いずれの場合も気になることがもしあれば医師に相談して下さい。
禁忌事項
バイアグラは硝酸剤、NO供与剤(ニトログリセリンなど)を服用中の方、低血圧および治療による管理のされていない高血圧患者、シルデナフィルに対する過敏症、脳梗塞・脳出血・心筋梗塞が6ヵ月以内におこった、心血管障害で性行為が不適当であると診察された、網膜色素変性症をもつ、重度の肝障害がある方には処方ができません。
服用中、上記に関わるような身体状況の変化があったときは、医師に必ずご相談下さい。
バイアグラ禁忌薬の一覧
硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等) | 降圧作用の増強 |
アミオダロン塩酸塩(アンカロン) | QTc延長作用の増強 |
sGC刺激剤 リオシグアト(アデムパス) | 症候性低血圧 |
バイアグラ併用注意薬の一覧
チトクロームP450 3A4阻害薬(リトナビル、ダルナビル、エリスロマイシン、シメチジン、ケトコナゾール、イトラコナゾール等) | 各剤の血漿中濃度が上昇 |
チトクロームP450 3A4誘導薬(ボセンタン、リファンピシン等) | 各剤の血漿中濃度が低下 |
降圧剤 | 降圧作用の増強 |
α遮断剤 | 降圧作用の増強 |
カルペリチド | 降圧作用の増強 |
新型コロナ治療薬 ゾコーバ | 本剤の血中濃度の上昇 |
ジェネリック(後発薬)
バイアグラは2014年にその特許期間が満了によって、各製薬会社がバイアグラと同じ有効成分のシルデナフィル(後発薬)を発売しました。効き方や注意事項はバイアグラと基本的に同じですので、新しいものも試してみたい、コストを少しでも抑えたいという方は試す価値があります。*バイアグラ・ジェネリック薬はこちら→
バイアグラという呼び方はヴィアトリス製薬が持つ(2021年にファイザー社から移管)商標名なので、後発薬の製造各社は有効成分の一般名(ジェネリック名)で名乗らなくてはなりません。つまりバイアグラのジェネリック(後発薬)は、シルデナフィル+(製薬会社略称)の名で処方されます。例:シルデナフィル+製薬会社名
定番薬 バイアグラ
言わずと知れたED治療薬です。初めてでどの薬にしようかと迷われている方には先ず試しても良い選択肢です。また、フィルムタイプのバイアグラは包装を含めた厚みは約1ミリほど。どうみても薬には見えず財布やポケットに入れても邪魔になりません。(紛失には注意)