シアリスは現在選べるED治療薬のなかでもっとも新しいもので、服用後に効果が出始めたら食事からの影響を受けず、非常に長時間作用する薬です。食事と作用時間の面で大きなメリットがある薬ですが、効果に影響がある食事のタイミング、副作用などについてご紹介します。
シアリス概要
有効成分 | タダラフィル クエン酸塩化物 |
用量 | 20mg/10mg |
服用方法 | 1回1錠 |
発現時間(効くまでの時間) | 1時間強 |
作用時間(効いている時間) | 20mg:約36時間、10mg:約24時間 |
服用間隔 | 24時間以上 |
主な副作用 | 頻出順 :頭痛、ほてり、消化不良ほか |
禁忌(服用できない) | *下記参照 |
ジェネリック タダラフィル | *一覧はこちら |
*参考 東邦大学 大森病院リプロダクションセンター
―用量―
一般的には20mgが処方されます。10mgで効果がじゅうぶんと感じられる方は敢えて20mgを使う必要はありませんが、効きがレビトラなどに比べ穏やかなため20mgが主流です。
―効くまでの時間―
やや溶けにくい性質があり、他のED薬と比べて効果が現れるまで時間を要します。早くても服用後1時間強、血中濃度が高く安定した状態になるまでには3時間前後になりますので、服用のタイミングは後のご予定を考えながら調整して下さい。
―効いている時間―
効果が現れ始めてから20mgで約36時間、10mgで約24時間それぞれ続きます。もっとも血中濃度が高まる時間帯は服用後3時間目~5時間目とされていますが、有効成分が代謝されるのが非常に遅いため(有効成分の体外への排出が遅い)効果は前述の通りとても長く続きます。
―服用方法―
どうやって飲むか?
水やお湯などで服用して下さい。基本は食前の空腹時に飲みます。有効成分の体内への吸収が終わればあとは食事の影響は受けませんので、わざわざ食中や食後すぐに飲んで効きを弱める必要がありません。
食事のタイミング
シアリスは食事の影響は受けないとされていますが、あくまで効いてしまった後のことです。ほかのED薬と同様、服用時に胃腸に油脂分の多い食事内容が残ったままだと、せっかく飲んだ有効成分の吸収が悪くなりますので注意が必要です。食後早くても1時間以上開けてから飲む、また、服用後にする食事も少なくとも1時間以上開けるのが最善です。
食事の内容
シアリスを服用する時は、消化に悪い脂っこいものを大量に摂取するなど極端なものでなければ何を食べても構いません。ただし空腹時に服用のタイミングが重なるようアレンジして下さい。食事に影響がないという謳い文句を誤解せず、空腹時の服用を守ってください。
飲酒について
食事にアルコールはつきものです。楽しくなる程度の飲酒でしたら、そのリラックス効果も相まってシアリスの効きも良く感じられます。そのためにある薬ともいえます。ただし楽しさを通り越して、泥酔するほどの飲酒はもちろん良い結果をもたらしません。
シアリス使用時のシミュレーション
―副作用―
シアリスには陰茎内の毛細血管を含めた血流全体を改善して、勃起状態をよくする薬です。この血流の改善が他の場所、顔に現れるとほてり、鼻では鼻が詰まった感じ、頭でおこると頭痛といった症状が場合によって起こることがあります。ほかのED薬に比べ、顔のほてりの症状は起こりにくいとされていますが、胃腸のもたれを訴える方が比較的多い傾向にあるので、この症状が強く感じられる方は、胃痛・胸やけに効く薬(胃もたれに効く薬ではない)をお試しください。また効きが長い分、副作用としての頭痛も長くなる可能性があるので、その場合は頭痛薬が併用できます。いずれの場合も出たとしても症状は軽くすぐに治まりますが、もし気になることがもしあれば医師にご相談下さい。
シアリスは硝酸剤、NO供与剤(ニトログリセリンなど)を服用中の方、低血圧および治療による管理のされていない高血圧患者、シルデナフィルに対する過敏症、脳梗塞・脳出血・心筋梗塞が3ヵ月以内にあった、脳梗塞・脳出血が6ヵ月以内にあった、心血管障害で性行為が不適当であると診察された、網膜色素変性症をもつ、重度の肝障害がある、方には処方ができません。服用途中で上記に関わるような身体状況の変化があったときは、医師に必ずご相談下さい。
シアリスの禁忌薬一覧
硝酸剤及びNO供与剤 ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等 | 降圧作用の増強 |
sGC刺激剤 リオシグアト(アデムパス) | 血圧低下 |
新型コロナ治療薬 ゾコーバ | 本剤の血中濃度の上昇 |
シアリスの併用注意薬
CYP3A4阻害剤 ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テラプレビル、グレープフルーツジュース等 | 本剤のAUCが312%、Cmaxが22%増加 |
HIVプロテアーゼ阻害剤 リトナビル、インジナビル、サキナビル、ダルナビル等 | AUCが124%増加 |
CYP3A4誘導剤 リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール等 | 本剤のAUCが88%、Cmaxが46%低下 |
α遮断剤 ドキサゾシン、テラゾシン等 | 失神等の症状を伴う血圧低下 |
降圧剤 アムロジピン、メトプロロール、エナラプリル、カンデサルタン等 | 自由行動下収縮期血圧及び拡張期血圧の下降 |
カルペリチド | 降圧作用の増強 |
ベルイシグアト | 症候性低血圧 |
―ジェネリック(後発薬)―
シアリスは2020年にその特許期間が満了したことで、各製薬会社が同じ有効成分のタダラフィルを持つ後発薬を発売しました。効きや注意事項はシアリスと基本的に同じです。タダラフィルは通常の内用薬のほかに、水なしで噛んで使える口内溶解錠も利用でき豊富なバリエーションから選択することができます。
シアリスという呼び名は日本新薬(前日本イーライ・リリー社)が持つ商標名で、後発薬の製造各社は有効成分の一般名(ジェネリック名)で名乗ることが義務付けられています。よってシアリスのジェネリック(後発薬)は、タダラフィル+(製薬会社略称)の名で処方されます。シアリス・ジェネリック薬はこちら→
食事の影響なく、長時間効く シアリス
例えば金曜日の夜に服用すると翌々日曜日昼前まで作用続け、その間は食事のタイミングを見計らわなくてもよい便利さから「ウイークエンド・ピル」との呼び名もあり、世界市場ではもっともシェアの大きな薬です。新しい薬で改良は進んでいますが、気をつけるべきことに注意して、その便利さを最大限に生かしてください。