グアノシン三リン酸とは
GTP(グアノシン三リン酸)とは?
GTP(Guanosine Triphosphate) は、体の中で使われる エネルギーや信号伝達に関わる分子 です。
簡単にいうと:「ATPと似た物質で、エネルギーの通貨や信号の材料になる」というイメージです。
GTPの構造
GTPは3つの部分からできています:
- グアニン(塩基) → DNA・RNAの構成塩基と同じ
- リボース(糖) → 中心の骨格
- 3つのリン酸 → 高エネルギー結合を持つ
ATP(アデノシン三リン酸)と似ていますが、塩基が アデニンではなくグアニン になっています。
GTPの働き
1. cGMPの材料になる
- グアニル酸シクラーゼ(GC)がGTPを cGMPに変換 します。
- これがED治療薬で重要な「血管をゆるめる信号」になります。
2. タンパク質のスイッチとして働く
- GTP結合タンパク質(Gタンパク質)が信号を細胞内に伝えるときに使われます。
- 例:ホルモンや神経の刺激が細胞に伝わるときに活躍。
3. エネルギー源として使われる
- RNAやタンパク質合成の化学反応でATPと同じようにエネルギーを供給。
cGMPとの関係
- 細胞にNOが届く
- グアニル酸シクラーゼ(GC)がGTPを取り込む
- GTP → cGMP
- cGMPが血管平滑筋をゆるめる → 血流増加 → 勃起
つまり GTPはcGMPの「原料」 と考えればわかりやすいです。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | GTP(グアノシン三リン酸) |
役割 | エネルギー分子、信号伝達分子、cGMPの材料 |
構造 | グアニン塩基 + リボース + 3個のリン酸 |
cGMPとの関係 | グアニル酸シクラーゼによって GTP → cGMP に変換 |
他の働き | Gタンパク質のスイッチ、タンパク質・RNA合成のエネルギー供給 |
ポイント:
「NO → GC → cGMP」の一連の流れで、GTPは cGMPを作る原料 として必須です。