青視症または彩視症

「視界が青みがかる」バイアグラの副作用とは?

 どのような状態?

バイアグラの副作用としてごく稀に現れる「青視症」または「彩視症」は、視界が青っぽく見える、光が眩しく感じる、ぼやけて見えるなどの症状を指します。ごく稀に起こり、起こったとしても数時間以内に消失することがほとんどです。

何が原因?

バイアグラは PDE-5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬 で、陰茎海綿体のcGMP分解を抑え、萎えにくくすることで勃起の維持を助けます。しかし、網膜の視細胞(特に桿体細胞)にはPDE-6 という酵素があり、光信号の伝達に関わるcGMPを分解する役割を持っています。バイアグラの有効成分であるシルデナフィルはPDE-5だけでなくPDE-6も弱く阻害するため、網膜の光応答に異常が生じ、青色光が強調されるような感覚が生ることが原因です。

PDE-6は桿体細胞(暗い時にはたらく)に多く、これが阻害されると光に対する過敏性や色の知覚変化が起きやすくなります。青視症が起きるのは、特に青色光(波長が短い)を感知する錐体細胞の信号バランスが崩れるためと考えられています。