膜結合型グアニル酸シクラーゼとは
膜結合型グアニル酸シクラーゼ(membrane-bound GC, mGC) は、細胞膜にくっついているタイプのグアニル酸シクラーゼ です。
- 細胞膜に「固定」されているので、外からのホルモンや刺激を直接受け取って反応します。
- これに対して、細胞質の中で自由に動くタイプは 可溶性GC(sGC) と呼ばれます。
mGCの働き
- 外からのホルモン・シグナルを受け取る
- 例:ナトリウム利尿ペプチド(ANP、BNP)が受容体に結合
- GTPをcGMPに変換
- グアニル酸シクラーゼの酵素反応でGTP → cGMP
- cGMPが細胞内で働く
- 血管平滑筋をゆるめる → 血圧低下
- 腎臓でナトリウム・水分排泄促進
- 心臓保護や利尿作用にも関与
可溶性GC(sGC)との違い
種類 | 場所 | 活性化のきっかけ | 主な働き |
---|---|---|---|
可溶性GC(sGC) | 細胞質 | NO(一酸化窒素) | 血管拡張、勃起、神経信号伝達 |
膜結合型GC(mGC) | 細胞膜 | ホルモン(ANP、BNPなど) | 血圧調整、利尿、心臓保護 |
ポイント
- mGCは 「外からのホルモンを受けてcGMPを作る受信工場」
- sGCは 「NOという信号でcGMPを作る自由工場」
- どちらもcGMPを作る役割は同じですが、刺激の入り口が違うのが特徴です。