膜結合型グアニル酸シクラーゼとは

膜結合型グアニル酸シクラーゼ(membrane-bound GC, mGC) は、細胞膜にくっついているタイプのグアニル酸シクラーゼ です。

  • 細胞膜に「固定」されているので、外からのホルモンや刺激を直接受け取って反応します。
  • これに対して、細胞質の中で自由に動くタイプは 可溶性GC(sGC) と呼ばれます。

mGCの働き

  1. 外からのホルモン・シグナルを受け取る
    • 例:ナトリウム利尿ペプチド(ANP、BNP)が受容体に結合
  2. GTPをcGMPに変換
    • グアニル酸シクラーゼの酵素反応でGTP → cGMP
  3. cGMPが細胞内で働く
    • 血管平滑筋をゆるめる → 血圧低下
    • 腎臓でナトリウム・水分排泄促進
    • 心臓保護や利尿作用にも関与

可溶性GC(sGC)との違い

種類 場所 活性化のきっかけ 主な働き
可溶性GC(sGC) 細胞質 NO(一酸化窒素) 血管拡張、勃起、神経信号伝達
膜結合型GC(mGC) 細胞膜 ホルモン(ANP、BNPなど) 血圧調整、利尿、心臓保護

ポイント

  • mGCは 「外からのホルモンを受けてcGMPを作る受信工場」
  • sGCは 「NOという信号でcGMPを作る自由工場」
  • どちらもcGMPを作る役割は同じですが、刺激の入り口が違うのが特徴です。