一酸化窒素合成酵素とは

一酸化窒素合成酵素(NOS)とは?

一酸化窒素合成酵素(Nitric Oxide Synthase, NOS) は、体内で 一酸化窒素(NO)を作る酵素 です。

  • NOは血管を広げたり、神経で信号を伝えたりする重要な分子です。
  • NOSはその 原料であるL-アルギニンからNOを生成 します。

化学反応としては:

L-アルギニン + 酸素 + NADPH → NO(一酸化窒素) + L-シトルリン

NOSの種類

体内には主に3種類のNOSがあります:

種類 位置 特徴 役割
eNOS(内皮型) 血管内皮細胞 血流の刺激で活性化 血管拡張、血圧調整
nNOS(神経型) 神経細胞 神経刺激で活性化 神経伝達、性刺激による勃起
iNOS(誘導型) 免疫細胞(マクロファージなど) 炎症や感染時に誘導 抗菌作用、免疫反応

NOSの働き(勃起との関係)

  1. 性的刺激を受ける
  2. 神経や血管内皮で nNOS/eNOS が活性化
  3. L-アルギニンから NOを生成
  4. NO → 可溶性GC(sGC)を刺激 → cGMP増加
  5. cGMP → 平滑筋弛緩 → 血流増加 → 勃起

ポイント

  • NOSは NOを作るスイッチ
  • NOは 血管拡張や勃起の鍵
  • PDE5阻害薬は、NOSで作られたcGMPを分解されないようにして作用をサポートする

まとめ

項目 内容
名称 一酸化窒素合成酵素(NOS)
働き L-アルギニンからNOを作る
種類 eNOS(血管内皮)、nNOS(神経)、iNOS(免疫)
勃起との関係 性刺激 → NOS活性化 → NO生成 → cGMP増加 → 平滑筋弛緩 → 勃起