シアリスと併用注意薬のエリスロマイシンについて

シアリス(タダラフィル)と併用注意薬のエリスロマイシン(Erythromycin)について解説します。


エリスロマイシンとは

  • 分類:マクロライド系抗生物質
  • 主な適応
    • 呼吸器感染症(肺炎、気管支炎など)
    • 皮膚・軟部組織感染症
    • その他、医師の判断による細菌感染症
  • 作用機序
    • 細菌の50Sリボソームサブユニットに結合
    • タンパク質合成を阻害 → 細菌の増殖を抑制
  • 特徴
    • CYP3A4を阻害する作用がある
    • 他の薬の代謝を遅らせ、血中濃度を上昇させることがある

シアリスとの相互作用(注意点)

  • シアリス(タダラフィル)は主にCYP3A4で代謝される
  • エリスロマイシンはCYP3A4を阻害するため、シアリスの血中濃度が上昇する可能性があります
  • 血中濃度上昇により、次のような副作用リスクが高まります:
    • 頭痛、めまい
    • 顔のほてり
    • 動悸
    • 血圧低下
    • ごくまれに心血管系イベント

臨床上の注意

  1. 併用は禁忌ではなく「併用注意」
  2. 血中濃度上昇のリスクがあるため、必要に応じてシアリスの低用量で開始
  3. 初回併用時は副作用のモニタリングが重要
  4. 立ちくらみやめまい、顔のほてりなどの症状が出た場合は速やかに医師に相談

まとめ

  • エリスロマイシンはマクロライド系抗生物質でCYP3A4阻害作用を持つ
  • シアリスとの併用により血中濃度が上昇 → 副作用リスクが増加するため、併用注意薬に分類
  • 初回併用時は低用量で開始し、副作用に注意

ポイント

  • シアリスの併用注意薬には、血圧低下系薬CYP3A4阻害薬の2種類がある
  • エリスロマイシンは後者に該当し、血中濃度上昇による副作用リスクが主な懸念