シアリスと併用注意薬のカルペリチドについて

シアリス(タダラフィル)と併用注意薬のカルペリチド(Carperitide)について解説します。


カルペリチドとは

  • 分類:心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)製剤
  • 主な適応
    • 急性心不全の治療
    • 心不全による呼吸困難の改善
  • 作用機序
    • ANP受容体に作用 → 細胞内cGMPを増加
    • 血管拡張作用 → 前負荷・後負荷の軽減
    • 利尿・ナトリウム排泄促進
  • 特徴
    • 強力な血管拡張作用がある
    • 急性期の静脈内投与が中心

シアリスとの相互作用(注意点)

  • シアリス(タダラフィル)はPDE5阻害薬としてcGMPを分解抑制 → 血管拡張作用
  • カルペリチドもcGMPを介して血管拡張作用を持つため、血圧低下が相乗するリスクがあります
  • 臨床上注意すべき症状:
    • 低血圧
    • 立ちくらみ
    • めまい
    • 頻脈

臨床上の注意

  1. 併用は禁忌ではなく「併用注意」
  2. 血圧低下リスクが高いため、初回併用時は血圧モニタリングが必須
  3. 急性心不全患者では、シアリスの併用は慎重に検討する
  4. 必要に応じてシアリスの服用タイミングや低用量開始を検討

まとめ

  • カルペリチドは急性心不全治療薬で、血管拡張作用を持つANP製剤
  • シアリスとの併用で血圧低下のリスクが相乗するため、併用注意薬に分類
  • 初回併用時は血圧変動に注意し、モニタリングが重要

ポイント

  • シアリスの併用注意薬は大きく2種類:
    1. 血圧低下系薬(α1遮断薬、カルペリチド、ACE阻害薬、ARBなど)
    2. CYP3A4代謝影響薬(阻害薬・誘導薬)
  • カルペリチドは前者に該当し、血圧低下の相乗リスクが主な懸念