HPVの型一覧表

HPV(ヒトパピローマウイルス)の型一覧表(主要分類) をまとめます。200種類以上あるため、臨床的に重要な型に絞って「分類ごと」に整理しています。


◆ HPV 型一覧表(主要・臨床的に重要な型)

1. 高リスク型(発がん性)

がん(特に子宮頸がん)との関連が強いタイプ。

分類 型番号 特徴
最重要(がんに強く関連) 16, 18 世界の子宮頸がんの約70%を占める
中等度リスク 31, 33, 45, 52, 58 9価ワクチンでカバーされる。特に52・58はアジアで多い
その他の高リスク 35, 39, 51, 56, 59, 68 子宮頸がんの一部、前がん病変に関与

2. 低リスク型(良性病変・がん化しにくい)

主に尖圭コンジローマ(性器イボ)などを引き起こす。

分類 型番号 特徴
コンジローマ主要型 6, 11 尖圭コンジローマの90%以上を占める
その他低リスク 40, 42, 43, 44, 54, 61, 72, 81 良性のイボや軽度の異形成に関連

3. 皮膚型(主に皮膚のイボ)

性器感染とは別系統。

分類 型番号 特徴
対象 1, 2, 3, 4, 7, 10, 27, 28, 57 手足の尋常性疣贅、若年性イボなど

4. 口腔・咽頭領域で問題となる型

特に近年増加している中咽頭がんの原因。

分類 型番号 特徴
主因 16 咽頭がんの多くを占める(特に男性で増加)
その他 18, 31, 33 咽頭の異形成・がんと関連

◆ ワクチンでカバーされる HPV 型

ワクチン カバー型 備考
2価(サーバリックス) 16, 18 がん予防
4価(ガーダシル) 6, 11, 16, 18 がん+コンジローマ
9価(シルガード9) 6, 11, 16, 18, 31, 33, 45, 52, 58 子宮頸がんの約90%以上を予防