シアリスと併用注意薬のリファンピシンについて

シアリス(タダラフィル)と併用注意薬のリファンピシン(Rifampicin)について解説します。


リファンピシンとは

  • 分類:抗結核薬(リファマイシン系)
  • 主な適応
    • 結核(肺結核、腸管結核など)
    • 非結核性抗酸菌感染症
    • その他、医師の判断による感受性菌感染症
  • 作用機序
    • 細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害
    • RNA合成を阻害 → 細菌の増殖を抑制
  • 特徴
    • CYP3A4を強力に誘導する作用がある
    • 他のCYP3A4代謝薬の血中濃度を低下させる可能性がある

シアリスとの相互作用(注意点)

  • シアリス(タダラフィル)は主にCYP3A4で代謝される
  • リファンピシンはCYP3A4を誘導するため、シアリスの血中濃度が低下し、効果が減弱する可能性があります
  • 臨床的には以下の影響が懸念されます:
    • 勃起不全改善効果が減弱
    • 効果持続時間が短くなる

臨床上の注意

  1. 併用は禁忌ではないが「併用注意」
  2. シアリスの効果減弱リスクがあるため、効果が不十分な場合は医師に相談
  3. 必要に応じて、シアリスの服用タイミングや用量調整を検討(ただしリファンピシンのCYP誘導作用のため、調整は限定的)
  4. 長期併用では、シアリスの効果不十分が続く可能性がある

まとめ

  • リファンピシンはCYP3A4を誘導する抗結核薬
  • シアリスとの併用により血中濃度低下 → 効果減弱のリスクがあるため、併用注意薬に分類
  • 効果不足や不十分を感じた場合は、医師に相談

ポイント

  • シアリスの併用注意薬には、血圧低下系薬とCYP3A4に影響する薬(阻害薬・誘導薬)がある
  • リファンピシンは後者の「CYP3A4誘導薬」に分類され、効果減弱が主な懸念