精索静脈瘤

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう、Varicocele)は、精巣を取り巻く静脈が異常に拡張して血流が逆流し、静脈の膨張が生じる状態です。これは男性の不妊症の一因としても知られており、特に左側の精巣に多く見られます。

精索静脈瘤の仕組み

精巣は血液を供給する静脈が集まり、精索(せいさく)という部分を通って下腹部に戻ります。通常、静脈内には血液が逆流しないように弁が存在しますが、この弁が機能しなくなると、血液が逆流して静脈が膨らんでしまうのです。この状態が精索静脈瘤です。

原因

精索静脈瘤の原因としては以下のものがあります:

  1. 弁の異常:精索内の静脈弁がうまく閉じず、血液が逆流することが原因です。
  2. 静脈の圧力の上昇:静脈内の圧力が高くなることが原因で血流が逆流し、膨張します。左側に多く見られるのは、左側の精巣静脈が右側より長く、直線的に下大静脈と接続しているためです。
  3. 解剖学的な問題:例えば、血管の構造に異常がある場合などです。

症状

多くの精索静脈瘤は症状がないことが多いですが、以下のような症状が現れることもあります:

  • 陰嚢の重さや膨張感:精索静脈瘤が大きくなると、陰嚢に違和感を感じることがあります。
  • 痛み:不快感や鈍い痛みを感じることがあり、特に長時間立っていると症状が悪化することがあります。
  • 不妊症:精索静脈瘤は、精子の質に影響を与える可能性があり、不妊の原因となることがあります。血液が逆流して静脈圧が上がると、精巣の温度が上昇し、精子の生成が妨げられることがあります。

診断

精索静脈瘤の診断は、以下の方法で行います:

  • 身体検査:陰嚢を触診して静脈の膨張を確認します。立っている状態で触診することで、静脈が見つかりやすくなります。
  • 超音波検査:精巣の血流や静脈の拡張を確認するために超音波が使用されます。これにより、精索静脈瘤の大きさや血流の異常を詳細に調べることができます。
  • 精液検査:精子の数や質が正常かを調べるために行われることがあります。

治療

精索静脈瘤の治療は、症状の程度や不妊症との関連によって異なります:

  1. 経過観察:症状が軽度であり、不妊症の兆候がない場合は、特に治療を行わないことがあります。
  2. 手術:精索静脈瘤が大きく、痛みや不妊症の原因となっている場合は、手術で血流を正常に戻すことができます。手術には以下の方法があります:
    • 精索静脈瘤切除術:精索の静脈を結紮し、血液の逆流を防ぐ手術。
    • 血管塞栓術(エンボリゼーション):カテーテルを使って静脈に塞栓を入れ、血液の逆流を防ぐ方法。

手術後は、精子の質が改善する場合もあり、不妊治療において有効な場合があります。

精索静脈瘤と不妊症

精索静脈瘤が不妊症の原因となる理由は、主に精巣内の温度上昇と血流の異常にあります。温度が高くなると精子の形成が妨げられるため、精子の質が低下し、妊娠が難しくなることがあります。そのため、精索静脈瘤の治療により精子の質が改善し、妊娠率が向上することが期待されることがあります。

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