シアリスと併用注意薬のダルナビルについて
wpmasterシアリス（タダラフィル）と併用注意薬のダルナビル（Darunavir）について解説します。
ダルナビルとは
- 分類：HIVプロテアーゼ阻害薬（抗レトロウイルス薬）
- 主な適応：HIV感染症の治療
- 作用機序：
- HIVプロテアーゼを阻害 → ウイルス成熟阻害
- 特徴：
- CYP3A4阻害作用を持つ
- 他のCYP3A4代謝薬の血中濃度を上昇させる可能性がある
- 通常リトナビルやコバシスタット（CYP3A4阻害薬）と併用して用いられることが多い
シアリスとの相互作用（注意点）
- シアリス（タダラフィル）は主にCYP3A4で代謝される
- ダルナビルはCYP3A4阻害作用を持つため、シアリスの血中濃度が上昇 → 副作用リスクが増加する可能性がある
- 臨床的に注意すべき副作用：
- 顔のほてり、頭痛、めまい
- 動悸
- 血圧低下
- ごくまれに重篤な心血管系イベント
臨床上の注意
- 併用は禁忌ではなく「併用注意」
- 血中濃度上昇のリスクが高いため、シアリスを低用量で開始することが推奨される
- 初回併用時は副作用のモニタリングが必須
- 心血管疾患のある患者は特に注意
まとめ
- ダルナビルはCYP3A4阻害作用を持つHIV治療薬
- シアリスとの併用により血中濃度上昇 → 副作用リスクが増加するため、併用注意薬に分類
- 初回併用時は低用量から開始し、副作用に注意
ポイント
- シアリスの併用注意薬は大きく2種類：
- 血圧低下系薬（α1遮断薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARBなど）
- CYP3A4に影響する薬（阻害薬・誘導薬）
- ダルナビルは後者に該当し、血中濃度上昇による副作用リスクが主な懸念
