シアリス(タダラフィル)の併用注意薬をカテゴリー別に整理

シアリス(タダラフィル)の併用注意薬をカテゴリー別に整理し、作用機序・主なリスク・臨床上の注意点を含めた一覧表


カテゴリ 薬剤名(代表例) 作用機序・特徴 シアリスとの相互作用・リスク 臨床上の注意点
α1遮断薬(前立腺肥大・高血圧治療) ハルナール(タムスロシン)カルデナリン(ナフトピジル)ミニプレス(プラゾシン)アビショット(ウラピジル)デタントール(ウラピジル)ユリーフ(シロドシン)ハイトラシン(テラゾシン)ドキサゾシンテラゾシンタムスロシンフリバス(ナフトピジル) α1受容体遮断 → 血管拡張・前立腺平滑筋弛緩 血圧低下が相乗 → 立ちくらみ・めまい・失神のリスク 低血圧症状に注意。必要に応じてシアリス低用量開始。
降圧剤(ARB・ACE阻害薬・利尿薬・カルシウム拮抗薬) アムロジン(アムロジピン)ノルバスク(アムロジピン)ブロプレス(カンデサルタン)デタントール(ウラピジル)レニベース(ベナゼプリル)アーチスト(イルベサルタン+ヒドロクロロチアジド) 血管拡張・利尿作用・心負荷軽減 血圧低下が相乗 → 立ちくらみ・めまい・頭痛 血圧測定と副作用モニタリング。低用量開始推奨。
CYP3A4阻害剤 リトナビルエリスロマイシンケトコナゾールイトラコナゾールダルナビルインジナビルサキナビル CYP3A4阻害 → シアリス代謝抑制 血中濃度上昇 → 顔のほてり・頭痛・めまい・血圧低下リスク シアリス低用量開始。副作用モニタリング必須。
CYP3A4誘導剤 リファンピシン CYP3A4誘導 → シアリス代謝促進 血中濃度低下 → 効果減弱 効果不十分時は医師相談。用量調整は限定的。
急性心不全治療剤 カルペリチド ANP受容体作用 → 血管拡張・利尿 血圧低下が相乗 → 立ちくらみ・めまい 血圧モニタリング必須。初回併用は慎重。
HIVプロテアーゼ阻害薬(CYP3A4阻害系) リトナビルインジナビルサキナビルダルナビル CYP3A4阻害 → シアリス代謝抑制 血中濃度上昇 → 副作用リスク増加 低用量開始・副作用モニタリング必須。

ポイント

  1. シアリスの併用注意薬は大きく2系統に分かれる:
    • 血圧低下系(α1遮断薬・降圧剤・急性心不全薬)
    • CYP3A4代謝影響薬(阻害薬・誘導薬・HIVプロテアーゼ阻害薬)
  2. 血圧低下系薬と併用 → 血圧低下・立ちくらみリスク
  3. CYP3A4阻害薬と併用 → 血中濃度上昇・副作用リスク
  4. CYP3A4誘導薬と併用 → 効果減弱の可能性
  5. 臨床では、低用量開始・血圧測定・副作用モニタリングが共通の対応策