フィナステリドの服用によって乳房肥大が起こるメカニズム

フィナステリドは、主に男性型脱毛症(AGA)の治療や前立腺肥大症(BPH)の治療に使用される薬剤です。フィナステリドは、5α-リダクターゼという酵素を阻害することで、テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを防ぎます。この作用により、髪の毛の脱毛が減少し、前立腺の肥大が抑えられますが、一部の男性には副作用として乳房肥大(Gynecomastia)が発生することがあります。

乳房肥大が発生する原因

フィナステリドの服用によって乳房肥大が起こるメカニズムには、以下の要因が関与しています。

  1. ホルモンバランスの変化
    • フィナステリドはDHTの生成を抑制するため、体内のDHTレベルが低下します。
    • これにより、テストステロンが相対的に増加しますが、テストステロンの一部がエストロゲンに変換されることがあります。
    • エストロゲンは乳腺組織の発達を促進するホルモンであり、この作用が乳房肥大を引き起こす可能性があります。
  2. エストロゲンの相対的な優位
    • DHTが減少すると、エストロゲンとアンドロゲン(男性ホルモン)のバランスが乱れ、エストロゲンが相対的に優位になることがあります。
    • このホルモンの不均衡が乳腺組織の発達を刺激し、乳房肥大の原因となります。

副作用の頻度とリスク

  • 乳房肥大は、フィナステリドの服用による比較的まれな副作用ですが、報告されることがあります。
  • 通常は軽度であり、乳房の片側または両側が軽く腫れたり、痛みや圧痛が伴うことがあります。
  • 重度の乳房肥大やしこりの発生は稀ですが、医師の診察が必要です。

対処方法

乳房肥大の副作用が発生した場合、以下の対処法があります。

  1. フィナステリドの使用中止
    • 最も確実な方法は、フィナステリドの使用を中止することです。
    • 薬の中止後、通常はホルモンバランスが回復し、乳房肥大の症状が改善することがあります。
    • ただし、フィナステリドの中止は、男性型脱毛症や前立腺肥大症の症状が再発するリスクがあるため、医師と相談して決定することが重要です。
  2. 薬物療法
    • 乳房肥大が軽度である場合、エストロゲンを抑制する薬剤が使用されることがあります。
    • 例として、タモキシフェン(抗エストロゲン剤)などが挙げられますが、これも医師の判断のもとで行われるべきです。
  3. 手術
    • 乳房肥大が重度であり、自然には改善しない場合、乳腺組織を除去する手術(乳房縮小術)が選択されることがあります。
  4. 経過観察
    • 軽度の症状であれば、時間が経つにつれて自然に改善することが多いため、経過観察が推奨されることもあります。

まとめ

フィナステリドは、男性型脱毛症や前立腺肥大症の治療に効果的な薬剤ですが、まれに副作用として乳房肥大が発生することがあります。この副作用は、ホルモンバランスの変化によるものであり、対処法としてはフィナステリドの中止や薬物療法、手術などが考慮されます。副作用が見られた場合は、必ず医師に相談し、適切な対応を取ることが重要です。

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