シアリスについて

シアリス(タダラフィル)はイーライリリー社で開発され、欧米では2003年から販売されており、 すでに世界100カ国で1千万人以上の方に使用されています。世界的にはバイアグラ、レビトラとならぶ三大ED治療薬の1つです。国内では、日本イーライリリー社から2007年9月に発売されました。現在は日本新薬が国内でのシアリス販売を担当しています。

シアリスの人気は36時間のロングパワー

シアリスの最大の特徴は36時間とED治療薬の中では薬の持続時間が格段に長いことです。36時間というのはバイアグラの4時間、レビトラの4~8時間に比べても大幅に長いもので、その効果は夜に服用すれば翌日一日中とその翌朝まで持続します。このような場合バイアグラ、レビトラなら2回は服用しなければなりませんが、それが1回の服用で済むのです。この圧倒的なロングパワーがシアリスの大きな人気になっています。シアリスの発売時期は国内ではバイアグラより8年も遅かったのですが、院内処方のシェアはすでにバイアグラにせまっている人気のED治療薬です。シアリスは5mgと10mgと20mgがありますが、欧米ではシアリスは高容量20mgでの使用が主流です。当院の処方でもシアリス処方の90%以上は高容量20mgで、 シアリスは高容量20mgでの使用が主流になっています。

シアリス錠 10mg 1,500円
シアリス錠 20mg 1,650円

薬価基準未収載 / 厚生労働省承認薬 / 添付文書

シアリスの成分と作用

シアリスの成分はタダラフィルです。タダラフィルはPDE-5(5-ホスホジエステラーゼ)阻害剤といわれるものです。PDE-5(5-ホスホジエステラーゼ)という酵素が血管内に増えると、勃起状態が萎えてしまうのですが、シアリスはこの酵素の働きを邪魔をする作用があり、これによってシアリスが勃起の持続を助けるのです。他のED治療薬、バイアグラやレビトラもシアリスと同じくPDE-5阻害剤ですが、長時間作用するのがシアリス(タダラフィル)の特徴です。

シアリスの特徴

シアリスは刺激すると勃起するという作用なので、36時間勃起したままになるのではありません。多少の飲酒は問題ありませんが、深酒状態では効果が落ちたりでなかったりします。満腹だと吸収が悪くなり効きにくくなることがありますので、食事をしたら1時間以上あけてから服用してください。シアリスは催淫剤や性欲亢進剤ではありませんシアリスは催淫剤や性欲亢進剤ではなく、性欲がまったくないと効きにくい場合があります。服用しても性的刺激がないと勃起しません。性的刺激を受けて初めて勃起し、性的刺激がないくなれば勃起はおさまります。性的刺激というのは視覚的なものでも、触覚的なものでもかまいません。これは他のED治療薬、バイアグラやレビトラも同様です。

シアリス服用の間隔

シアリスを1回服用したら次の服用は24時間経ったら可能です。(同日に2回服用してはいけません) 24時間経ってバイアグラ等、他のED治療薬を服用しても構いません。

シアリスの副作用

顔のほてり、鼻づまり、頭痛、消化不良、背部痛、筋肉痛、色覚変化等があります。 これら副作用の程度は軽く一時的なものです。シアリスは血管拡張作用があり、血圧が下がります。 いつも頭痛が出る場合は、市販の頭痛薬(バッファリン等)と併用するといいでしょう。

シアリスと同成分の前立腺肥大治療薬

シアリスの成分のタダラフィルは前立腺肥大治療薬としても承認されています。ザルティアという薬品名で、低容量の2.5〜5mgを毎日服用して前立腺肥大による排尿障害を改善します。前立腺肥大治療薬は連用が必要なので、シアリスを単発で何度か服用しても前立腺肥大に効くわけではありまん。

グレープフルーツジュースとは注意

グレープフルーツジュースと併用すると、血中濃度が上昇しシアリスが効き過ぎたり、副作用が強まることがあるので注意が必要です。その他、血中濃度が高くなり注意が必要な薬剤は、マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン、抗真菌薬のイトラコナゾール、肝炎治療薬のテラプレビル(テラビック)、一部の抗エイズウイルス薬などがあります。

血圧の薬を飲んでいる場合は注意

血圧の薬とシアリスは併用注意です。シアリスには血圧を下げる作用があるため、血圧の薬と併用すると血圧が下がり過ぎて立ちくらみなどの副作用が出ることがあり、それに注意して使用する必要があります。 併用注意ですから、血圧の薬を飲んでいたら服用できないということではありません。実際には血圧の薬とシアリスを併用しても、この副作用を自覚しない方の方が多いのですが、血圧が下がり気味になる場合があることを理解しておいてください。

シアリスの併用注意薬

シアリスの併用注意薬には次のようなものがあります。併用注意薬は注意すれば併用可能です。併用注意薬を服用されている方は医師にご相談ください。

α遮断薬(降圧剤や前立腺肥大治療薬の一部):血圧低下に注意

ハルナール、 カルデナリン、ミニプレス、アビショット、デタントール、ユリーフ、ハイトラシン ドキサゾシン、テラゾシン、タムスロシン、フリバス等

降圧剤全般:血圧低下に注意

アムロジン、ノルバスク、ブロプレス、デタントール、レニベース、 アーチスト等

CYP3A阻害剤:血中濃度が上昇

リトナビル、エリスロマイシン、ケトコナゾール、イトラコナゾール等

CYP3A誘導剤:血中濃度が低下

リファンピシン、ボセンタン等

急性心不全治療剤:血圧低下に注意

カルペリチド

HIVプロテアーゼ阻害剤:濃度上昇に注意

リトナビル、インジナビル、サキナビル、ダルナビル等

シアリスの併用禁忌薬

次のようなシアリスの併用禁忌薬を使っている場合、使うことはできません。

硝酸剤、NO供与剤:危険な血圧低下

ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等

sGC刺激剤:症候性低血圧を発症

リオシグアト(アデムパス)

シアリスを服用できない場合

次のような場合はシアリスを服用できません。

◆ 本剤の成分(タダラフィル)に対し過敏症の既往歴のある方
◆ 硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン)を使用している方
◆ sGC刺激剤のリオシグアト(アデムパス)を投与中の方
◆ 心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる方
◆ 不安定狭心症のある方、性交中に狭心症発作を起こしたことのある方
◆ 重度の肝機能障害のある方
◆ 低血圧で血圧の上が90mmHg以下の方
◆ 高血圧で血圧の上が170 mmHg以上か、血圧の下が100 mmHg以上の方
◆ 心筋梗塞が最近 3 ヵ月以内にあった方
◆ 網膜色素変性症の方

上にあるようにニトログリセリン等の硝酸剤は併用禁忌です。心臓発作時のニトロを持っている方は、危険ですから主治医に相談してください。未成年者は処方できません。

シアリスには併用注意薬や併用禁忌薬が多種ありますので、個人輸入や他人にもらった医師の処方以外のシアリス等のED治療薬を安易に服用することはとても危険です。

シアリスの理想的な飲み方

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