身体のなかでは「血」が栄養素や酸素を運んでいますが、これが少ないかうすい人は栄養素や熱が隅々まで行き渡りません。この状態では体の偏った場所に水分がたまって冷えを起こします。つまり「血」の不足、巡りの悪さが、冷えをはじめとするさまざまな症状を引き起こします。当帰芍薬散が全身の血行を良くするのと同時に水分の代謝を整えることで、体調が改善します。

当帰芍薬散 当帰芍薬散
トウキシャクヤクサン

添付文書 当帰芍薬散

添付文書

冷えをともなう婦人科系の諸症状を改善

「瘀血」とは漢方独自の概念で、血液が一定箇所に滞ることで種々の障害をきたすことをいいます。当帰芍薬散は「血(けつ)」の不足から生じる血行障害や鬱血を防ぎ、血液の巡りをよくして、体を温める「駆瘀血剤(くおけつざい)」の一つです。「産婦人科の三大漢方薬」ともされています。女性では特に月経にかかわる諸症状、更年期障害などに使われるほか、産前産後の身体の不調にも用いられます。やせて体力のない「虚証(きょしょう)」の人に起こるめまい、肩こり、腰痛、足腰の冷え、しもやけ、むくみ、耳鳴りなどの改善にも処方されます。

配合生薬

当帰(トウキ) 川芎(センキュウ)
芍薬(シャクヤク) 茯苓(ブクリョウ)
蒼朮(ソウジュツ) 沢瀉(タクシャ)

作用と効果

貧血、倦怠感、めまい、肩こり、更年期障害、月経不順、月経痛、妊娠中の諸症状の治療に使用されます。通常、疲れやすく、足腰の冷えやすい人に用いられます。

使用上の注意

薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状の経験があるとき。心臓、甲状腺機能、に障害(またはその既往歴)がある、重度の高血圧がある、妊娠または授乳中である、他に継続して服用中の薬がある、場合は医師に相談が必要です。

用法・用量

この薬は生薬そのものではなく、生薬と同じ成分を含む顆粒で、医師から処方される医療用漢方製剤です。ドラッグストアなどで手に入る一般用漢方製剤は、成分は基本的には同じでも、安全性が考慮され成分量が少なく設定されていることが殆どです。84包(28日分)を一単位として処方されます。年齢・体重・症状により適宜増減されることがありますが、指示された服用方法に従ってください。

代表的な副作用

発疹、かゆみ、体のだるさ、食欲不振、胃に不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢など

これらのような症状に気づいたら、他にも気になることがあれば、オンライン診療(相談料はかかりません)のほか、問合せフォームや電話でご連絡下さい。