オンラインゲーム依存症とは?

オンラインゲーム依存症(Online Gaming Addiction)とは、オンラインゲームのプレイを自分で制御できず、日常生活や社会生活に支障をきたす状態を指します。
特にMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)やFPS(ファーストパーソン・シューティング)ソーシャルゲームなどは依存性が高いとされています。

WHO(世界保健機関)の見解

WHOは2019年に「ゲーム障害(Gaming Disorder)」を精神疾患の一種として正式に認定しました。
ゲーム障害の特徴として、以下の3点が挙げられます。

  1. ゲームのコントロールができない(プレイ時間・頻度・優先度を制御できない)
  2. ゲームが生活の中心になる(他の活動より優先される)
  3. ゲームによる悪影響が出てもやめられない(学業・仕事・人間関係に悪影響が出ても続ける)

1. オンラインゲーム依存症の特徴

(1) ゲームのプレイ時間が極端に長い

  • 1日10時間以上プレイしてしまう
  • ゲームのために食事・睡眠・入浴などを後回しにする
  • 「少しのつもり」が何時間も続いてしまう

(2) ゲームを最優先する

  • 学業や仕事よりもゲームを優先
  • 家族や友人との約束を破ることが増える
  • オンラインの仲間との関係がリアルの人間関係よりも大切になる

(3) ゲームをやめると強いストレスを感じる

  • ゲームをやらないと落ち着かない(イライラ・不安感)
  • 長時間プレイできなかった日には罪悪感や不満が残る
  • 禁断症状のように、ゲームのことが頭から離れなくなる

(4) ゲームの影響で生活に問題が起こる

  • 睡眠不足、成績の低下、仕事のパフォーマンス低下
  • 経済的な問題(課金のしすぎ、生活費の浪費)
  • 運動不足、肥満、視力低下、ストレス増加

2. オンラインゲーム依存症の種類

(1) MMORPG依存(大規模多人数同時参加型RPG)

  • 広大な仮想世界で他のプレイヤーと交流しながら冒険するゲーム
  • エンドレスなコンテンツで終わりがなく、常にプレイしたくなる

(2) FPS/TPS依存(シューティングゲーム)

  • 瞬時の判断力や反射神経が求められるゲーム
  • 競争心や達成感が強く、「勝つまでやめられない」心理に陥りやすい

(3) 課金型ソーシャルゲーム依存

  • 無料でプレイできるが、ガチャ要素や課金アイテムでの支出が増える
  • 「もう少しでレアキャラが手に入るかも…」という心理で、際限なく課金してしまう

(4) サンドボックス型ゲーム依存

  • 自由度の高いゲームで、「目的がないからこそ終われない」
  • クリエイティブな活動(建築・プログラミング要素)に没頭しやすい

3. オンラインゲーム依存症の原因

(1) 報酬系の刺激(脳のドーパミン分泌)

  • ゲームで成功(勝利・レベルアップ・レアアイテム獲得)すると、脳が快感を感じる
  • これが習慣化すると、現実世界よりゲームの方が楽しくなってしまう

(2) ソーシャル要素

  • オンラインゲームはコミュニティ要素が強く、リアルの人間関係よりもゲーム仲間との交流を優先するようになる

(3) エスカレートする課金要素

  • ガチャや限定イベントにより、「今しか手に入らない!」という焦りで課金が止まらなくなる
  • 一度課金すると、「次もまた少しだけ…」と続けてしまう

(4) 現実逃避

  • 学校や仕事、家庭のストレスから逃げるためにゲームにのめり込む

4. オンラインゲーム依存症の影響

(1) 健康への影響

  • 睡眠不足(夜中までプレイし、昼夜逆転)
  • 運動不足・肥満(ゲームのために外出しなくなる)
  • 視力低下・肩こり・頭痛(長時間の画面注視)

(2) 精神的な影響

  • イライラや攻撃的な性格になる(ゲーム内での勝敗に影響される)
  • 抑うつ症状(現実生活がうまくいかなくなる)
  • ゲームなしでは満足感を得られなくなる

(3) 社会的な影響

  • 学校・仕事の成績低下(ゲームに時間を取られ、集中できない)
  • 経済的な問題(課金による借金や生活費の浪費)
  • 家族や友人との関係悪化(ゲーム中心の生活で人付き合いが減る)

5. オンラインゲーム依存症の対策

(1) プレイ時間の制限

  • 1日のプレイ時間を決める(例:1日2時間まで)
  • スマホやPCに「スクリーンタイム制限」を設定する
  • 「〇〇時以降はプレイしない」ルールを作る

(2) デジタルデトックスを実践

  • 週に1日は「ゲームをしない日」を作る
  • スマホやPCを物理的に遠ざける(ゲームのアプリを削除するのも有効)

(3) 代替行動を増やす

  • ゲーム以外の趣味(スポーツ・読書・旅行)を作る
  • リアルの友人と遊ぶ機会を増やす

(4) 必要なら専門家に相談

  • 精神科・心療内科でカウンセリングを受ける

6. まとめ

オンラインゲームは楽しいですが、依存しすぎると生活に悪影響を与えます。適度にプレイし、リアルな生活とのバランスを意識することが大切です。

もし「やめたいのにやめられない」と感じたら、デジタルデトックスや専門家のサポートを活用しましょう。