
「専門医監修」の専門医とは?資格名と認定団体の確認方法
記事や広告に「専門医監修」と書かれていても、その言葉だけでは、どの分野の専門医なのか、誰が資格を認定したのか、記事のどこまで確認したのかはわかりません。
「専門医」は、医師なら誰でも名乗れる一般的な肩書きではありません。学会や専門医認定機関が定めた基準に基づき、資格を認定している場合があります。ただし、資格名や認定団体、広告で表示できるかどうかは、それぞれ確認が必要です。
「専門医」は何を示す資格なのか
専門医資格は、特定の診療分野について一定の研修や審査などを経た医師に、学会や専門医認定機関が認定するものです。
ただし、資格を持っていることだけで、医師がその分野のあらゆる病気や治療に詳しいと保証されるわけではありません。また、資格があることと、記事の内容をどの程度確認したかは別の問題です。
たとえば「皮膚科専門医」が監修者として記載されていても、記事のテーマが薬の飲み合わせや糖尿病治療であれば、資格の専門分野と記事テーマがどのように関係しているのか、別途確認する必要があります。
資格名だけでなく「認定団体」も見る
「○○専門医」という資格名は、どの団体が認定したものかとセットで確認することが大切です。医療機関の広告では、広告できる専門性資格に一定の範囲があり、資格の認定団体を明示することが求められています。厚生労働省の医療広告ガイドラインは、厚生労働省が医師個人の専門医資格を認定しているわけではないことも示しています。
そのため、「厚生労働省認定○○専門医」という表示には注意が必要です。また、医療機関の広告で、認定団体を示さずに「○○専門医」とだけ表示すると、誤認につながるおそれがあります。
一方で、医師が記事を監修する非医療機関のウェブサイトに「専門医監修」と書かれている場合、医療機関の広告に関するルールがそのまま同じ形で適用されるとは限りません。記事が特定の医療機関への受診を促す広告にあたるかなど、サイトや表示の状況によって判断が変わり得ます。いずれの場合も、読者が資格を確かめるには、資格名と認定団体の情報が重要です。
「専門医監修」の表示からは、監修の範囲もわからない
資格が実在し、記事のテーマと関係する専門分野だったとしても、それだけで医師が記事全体を執筆・確認したとは限りません。
「監修」と表示されていても、実際の関与は、たとえば次のように幅があります。
- 記事全体を読み、医学的な記述を確認した
- 一部の記述や表現だけを確認した
- 質問への回答や資料を提供した
- 完成した記事を短時間確認した
- 名前やプロフィールの掲載を認めた
どこまで関与したかが書かれていなければ、「専門医監修」という肩書きだけから確認範囲を推測することはできません。監修者の資格と、記事の作成・確認の実態は分けて考えましょう。
資格名と認定団体を確かめる手順
1. 正式な資格名を確認する
「専門医」とだけ書かれている場合は、正式な資格名を探します。「日本○○学会認定○○専門医」「日本専門医機構認定○○専門医」など、資格名に認定主体が含まれているかを確認します。
「医師」「専門家」「医療従事者」といった表記だけでは、専門医資格の有無は判断できません。
2. 認定団体の公式情報を確認する
記事のプロフィールに記載された団体名を手がかりに、認定団体の公式サイトで資格制度や医師検索ページを確認します。資格を持つ医師の一覧や、認定状況を検索できる場合があります。
厚生労働省も医療機関の広告で表示できる専門性資格に関する情報を公開しています。ただし、公開されている資格一覧には作成日や制度変更の影響があり得るため、一覧だけで現在の資格状況まで判断せず、認定団体の最新情報も確認してください。
3. 資格が現在有効かを確かめる
資格によっては、更新のための手続きや要件が設けられています。古いプロフィールや過去の記事に書かれた情報だけでは、現在も有効な資格かどうかわからないことがあります。認定団体の情報で、有効期間や更新状況を確かめましょう。
4. 記事テーマとの関連を考える
資格の専門分野が記事のテーマとどう関係するかを確認します。専門分野とテーマが異なる場合は、監修者がどの立場から確認したのか、記事内やプロフィールに説明があるかを見ます。
5. 監修の内容と日付を確認する
監修者の名前だけでなく、どの範囲を確認したのか、いつ確認したのかも判断材料です。医療情報は、薬の承認状況や診療指針の変更などで内容が古くなることがあります。監修日や更新日が見当たらない場合は、情報の新しさを判断しにくくなります。
読者が確認したいポイント
「専門医監修」と表示された記事を読むときは、次の点を確かめましょう。
- 監修者の実名と医師としてのプロフィールがあるか
- 資格の正式名称が書かれているか
- 認定団体が明示されているか
- 認定団体の公式情報で資格を確認できるか
- 資格の分野と記事テーマに関連があるか
- 監修の範囲と監修日が説明されているか
- 記事を掲載する会社や、紹介されている医療機関との関係が示されているか
認定団体がわからない、資格名が曖昧、記事テーマとの関係が説明されていない、監修者の関与範囲が見えない場合は、表示だけで記事の信頼性を判断しないようにしましょう。
「専門医監修」は確認の入口
「専門医監修」という表示は、記事の信頼性を考える手がかりの一つです。しかし、その表示だけでは、資格の認定団体や有効性、記事との専門分野の一致、監修の実態まではわかりません。
資格名と認定団体を公式情報で確かめ、記事のテーマや監修範囲も合わせて見ることが大切です。医療機関の広告では、広告できる資格の範囲や表示方法にルールがありますが、医療機関以外のメディアでは、記事がどのような目的で掲載されているかも含めて判断する必要があります。
「専門医監修」という肩書きは、記事を読む際の確認の入口です。資格名・認定団体・監修範囲を一つずつ確かめ、表示の印象だけで内容を評価しないようにしましょう。
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