
AGA薬で性欲減退・EDが起こる?フィナステリド・デュタステリドの副作用を解説
AGA(男性型脱毛症)の治療薬を調べると、「性欲が落ちる」「勃起しにくくなる」といった情報を目にすることがあります。フィナステリドやデュタステリドでは、性欲減退や勃起機能不全が副作用として報告されています。
ただし、服用した人全員に起こるわけではありません。また、勃起しにくさには薬以外の要因も関係します。副作用の可能性を正しく知り、気になる変化があれば処方医に相談することが大切です。
性欲減退とEDは別の症状
「性欲が減った」と「勃起しにくくなった」は、同じ性機能の問題として語られることがありますが、別の症状です。
- 性欲減退:性行為への関心や性的な欲求が低下する
- 勃起機能不全(ED):勃起しにくい、または勃起を維持しにくい
両方が同時に起こる場合もあれば、どちらか一方だけの場合もあります。症状が出た時期、頻度、服用開始や用量変更との関係を整理して医師に伝えると、原因を考える手がかりになります。
フィナステリドで報告されている性機能の副作用
フィナステリドは、AGAの進行に関係するDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑える薬です。国内の臨床試験では、フィナステリド投与群で性欲減退が1.1%、勃起機能不全が0.7%報告されました。試験での頻度は個人の発症確率をそのまま示すものではありませんが、これらの症状が起こり得ることを示しています。
添付文書では、性欲減退、勃起機能不全、射精障害などが副作用として記載されています。また、市販後には、性機能に関する症状が服用中止後も続いたとの報告があります。症状が続く場合や悪化する場合は、自己判断で様子を見続けず、処方医に相談してください。
デュタステリドでも性機能への影響が報告されている
デュタステリドもDHTの産生を抑える薬ですが、フィナステリドとは阻害する酵素の範囲が異なります。国内の臨床試験では、主な副作用として勃起不全、性欲減退、射精障害が報告されています。
PMDAに掲載された添付文書では、試験によって報告頻度に差があります。たとえば、国内の52週間投与試験では、勃起不全10.8%、性欲減退8.3%、射精障害4.2%でした。これは特定の試験条件下での結果であり、すべての人に同じ割合で起きるという意味ではありません。
薬の種類や用量だけで副作用の有無を予測することは難しいため、治療を始める前に、期待できる効果と副作用の両方について医師から説明を受けましょう。
性機能の変化があっても、原因が薬とは限らない
性欲や勃起機能は、薬の影響だけで変化するわけではありません。加齢、疲労、睡眠不足、ストレス、気分の落ち込み、飲酒、糖尿病、高血圧、脂質異常症、血管や神経の病気、ほかに服用している薬なども関係することがあります。
そのため、服用中に症状が出た場合も、薬が原因だと自分だけで決めつける必要はありません。一方で、症状を「気のせい」と決めつけて我慢する必要もありません。いつから、どのような症状が、どのくらいの頻度で起きているかを記録し、処方医に伝えましょう。
症状が気になったときの対応
服用を続けるか、休薬・中止するか、別の治療を検討するかは、AGAの状態や症状、本人の希望などを踏まえて決めます。まずは処方医に相談してください。自己判断で薬の量を変えたり、服用を中断したりすると、治療方針の再検討に必要な情報が得にくくなることがあります。
相談時には、次の点を伝えると整理しやすくなります。
- 性欲の変化、勃起のしにくさなど、具体的な症状
- 症状が始まった時期と、服用開始・変更との前後関係
- 症状の頻度や、日常生活への影響
- ほかに服用している薬や、最近の体調の変化
よくある疑問
性欲減退やEDは、服用した人全員に起こりますか?
いいえ。臨床試験や添付文書に記載された頻度は、全員に副作用が起きることを意味しません。ただし、発生する可能性はあるため、症状が出たときは医師に相談してください。
EDが起きたら、AGA薬をすぐにやめるべきですか?
一律に「すぐ中止」とは言えません。薬との関係や症状の程度を処方医に相談し、今後の治療方針を決めてください。強い症状や急な体調変化がある場合は、早めに医療機関へ連絡しましょう。
副作用が出たら、別のAGA治療に変更できますか?
治療の選択肢は、薄毛の状態、これまでの治療、全身の健康状態などによって異なります。薬を変更すれば副作用が必ずなくなる、あるいは同じ効果が得られるとは限りません。希望や心配を医師に伝え、治療の利点とリスクを確認したうえで選びましょう。
まとめ
フィナステリドやデュタステリドでは、性欲減退や勃起機能不全などの性機能に関する副作用が報告されています。発生頻度は試験や薬剤によって異なり、服用した人すべてに起こるわけではありません。また、性機能の変化には薬以外の要因も関係します。
症状が気になったら、服用開始や用量変更との関係、症状の内容を整理して処方医に相談してください。自己判断で治療方針を決めず、自分に合った対応を一緒に検討することが大切です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療方針を示すものではありません。 気になる症状がある場合は、処方医にご相談ください。
参考資料
- PMDA「フィナステリド錠 添付文書」
- PMDA「デュタステリドカプセル 添付文書」
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